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06.24 Wed

今、FRONT誌を読み返す。【5】


AUGUST 1998

表紙はYOU THE ROCK(まだ★無し)!98年は、ソロとしての2NDアルバム「THE★GRAFFITIROCK '98」の発表時期で、ロング・インタビューでは1STアルバム「THE SOUNDTRACK '96」からの脱却から、いかにして型破りな「THE★GRAFFITIROCK '98」が生まれたか、その心境を語る。一時はZEEBRAやラップ我リヤ辺り以上に、(今で言えば、サイプレス上野みたいな)日本語ラップのアイコン的な役割を確実に果たしていた彼が、ピークを迎える直前に何を考えていたのか。今となっては、逆に興味深い、か?
それ以外では、「HOT FUN IN THE SUMMERTIME」という夏の定番曲のディスク・ガイド(レゲエ含む)や、「ギャル受けラヴリーR&B予想ディスク・ガイド」、四街道NATUREやB-FRESH(!)、キエるマキュウのインタビュー、LARGE PROFESSORとDEV-LARGEの対談(!!)等、濃ゆい内容。
ちなみに、DEV-LARGEの連載「THE WORLD OF BUDDHA BRAND」では、NIPPSが登場し、

I'N'I/SQUARE ONE
I'N'I/GROWN MAN SPORT
V.A.「LYRICIST LOUNGE VOL.1」
NAS/SINFUL LIVING

辺りをピックアップ。4枚中3枚がブートですが、セレクションは意外とまとも。そう言えば、後にNIPPSが発表したDJとしてのミックス「QB FILES」も、めちゃくちゃまともな内容だったよな...とか、思い出したり。NAS"THE WORLD IS YOURS"をパクッたジャケこそヤバかったけども...。

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06.24 Wed

今、FRONT誌を読み返す。【4】


SEPTEMBER 1998

表紙はM.O.P.!今にして思えば、M.O.P.のキャリアは、やっぱりROC-A-FELLAに移籍して、作品がオンタイムで出なかったことから狂い始めたのか、それとも"ANTE UP"で(変に)売れちゃったのが悪かったのか...。98年時点までとは言え、ディコグラフィーにも愛を感じる。特集は「UK STATE OF MIND」ってことで、UKヒップホップ。BLADEやCAVEMANに、COOKIE CREW、BEATS INTERNATIONAL(NORMAN COOK!)、SOUL 2 SOUL、果てはCREATORS(懐かしい!)、ATTICA BLUES、HERBALIZERまでって、音も年代もバラバラで節操無さ過ぎだけど、そのゴッタ煮感覚が逆に今読むと新鮮だったり。DJ KENSEIのロング・インタビューのオマケ的に当時のアンダーグラウンド・ヒップホップの60選のガイド付き。あくまでV.A.「TAGS OF THE TIMES」の流れで、今も入手困難なものは少ないけど、当時聴いてたなーっていうものばかりで、これも懐かしい。ちなみに、「佐々木 士郎のBボーイ伝説」では、かの「アースノーマットCM事件」について言及。一部抜粋。

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「珍妙な英語モドキを”クール”だと勘違いしているような、ちょっとズレた若者(地方出身者)」というキャラクターを、面白おかしく際立てる格好の小道具として、ここで「ヒップホップ」という言葉が選択されたに過ぎないのである。(CMの)作り手にとっては、”新奇で軽薄な若者文化”を象徴するものであれば、それは何でも良かったに違いない。(中略)
かつて、ラップなりDJなりが、我々にとって不本意な形でCMなどに利用された例は、それこそ枚挙に暇がない。だが、表現上は何らヒップホップ的要素を取り入れていないにもかかわらず、無神経なイメージ操作によって、この国でヒップホップを愛する者たち(それは「マキオ」と違って、現実に生きている人間なのだ!)の尊厳を徒に貶めた今回のケースは、その悪質さにおいて群を抜いていると言えるだろう。
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約15年前から、世の認識にあまりにも進歩がないことに改めて驚く。芸人のジョイマン、CMでは英会話のNOVAやBフレッツ(乙葉)、レモンガス(これは酷かった...)、損保ジャパンのDIY生命、ピザハット(香取 慎吾)等、この15年間、ヒップホップはいつも、いつも「極めて軽薄な若者文化の象徴」として矢面に立たされてきたんだな、としみじみ振り返って、少し悲しい。日本において、ヒップホップが今以上の地位に上がるチャンスはもうないのかな、とも。
とは言え、CMだと例えば、JINRO飲みニケーション(TWINKLE)、モード学園(HIFANA & 鎮座DOPENESS)、ゲータレード(THA BLUE HERB)等、手放しに格好良いものも、もちろんあったんだけど。

06.24 Wed

今、FRONT誌を読み返す。【3】


OCTOBER 1998

表紙はKID CAPRI!2NDアルバム「SOUNDTRACK TO THE STREET」発表のタイミングだけに、作品の話がメインではあるものの、それ以外の内容が濃過ぎて、濃過ぎて...。(故)MAKI THE MAGIC、MASTERKEY、YUKIJIRUSHIの3人の対談では、KID CAPRIのスロウ・ジャムの定番セットが掲載。

MILES JAYE/LET'S START LOVE OVER

EUGENE WILDE/GOTTA GET YOU HOME WITH ME

MARVIN GAYE/SEXUAL HEALING

DENNICE WILLIAMS/FREE

DEBARGE/STAY WITH ME

PATRICE RUSHEN/REMIND ME

SHALAMAR/THIS IS FOR THE LOVER IN YOU

ZAPP/COMPUTER LOVE

ROGER/I WANT TO BE YOUR MAN

KEITH SWEAT/MAKE IT LAST FOREVER

ISLEY BROTHERS/BETWEEN THE SHEETS

BARRY WHITE/PLAYING YOUR GAME

その上、80'S~90'Sのスクラッチ・クラシック40選「BEATS, RHYMES & CUTS!」の特集ページも有り。CASH MONEY"SCRATCHIN' TO THE FUNK"やEPMD"YOU GOTS TO CHILL"みたいな古典から、当時はまだ出たばかりだったであろうDILATED PEOPLES"WORK THE ANGELS"やP.B.W."RUN THE LINE"、BEASTIE BOYS"3 MC'S & 1 DJ"辺りまで、独自の観点でのチョイス。まったくそんなイメージがないAPACHE"GANGSTA BITCH"やら、NAS"WORLD IS YOURS"やら、ERIC B & RAKIM"JUICE(KNOW THE LEDGE)"やら、PETE ROCK & C.L. SMOOTH"GO WITH THE FLOW"やらまでピックアップされてると、改めてそういう聴き方してみようかなって気になったり...。
日本語ラップでは、1STアルバム「SUPER HARD」な頃のラッパ我リヤのロング・インタビューがけっこう読み応えあります。ちなみに、DEV-LARGEの「THE WORLD OF BUDDHA BRAND」では、当時の日記的な覚え書きが色々してあって、その中に興味深い記述が...。

8月10日
エイベックスで大神のミーティング。今年中にエル・ドラドからアナログが切れそうだ。


...出てないねぇ。
「今月の一枚」ってことでDRAMATICS「WHATCHA SEE IS WHATCHA GET」を挙げていますが、BUDDHA BRAND"FUNKY METHODIST"で使用していた"IN THE RAIN"の紹介はサラリと流しています。あと、NIPPSの提案で「BUDDHA RADIO SHOW」ってタイトルのミックステープを共同で制作する予定とあるのが、2005年頃に計4作が出回った「STINKY ASS BUDDHA PORNO FUNK RADIO SHOW」シリーズのことでしょう。本誌が98年10月だから、構想~発表まで7年ぐらい掛かってるのね...。

関係ないけど、「BEATS, RHYMES & CUTS!」と、終盤のヒップホップ/R&Bの5枚のページに誤植有り。すごく濃い内容だから、編集に手が足りなかったのかな...。

06.24 Wed

今、FRONT誌を読み返す。【2】


NOVEMBER 1998

スチャダラパーの表紙が眩しい!今にして、大前 至/古川 耕のライター同士の座談会的なスチャダラ・トークを読んで改めて感じるのは、創始期からのFRONT誌が(当時の)アンダーグラウンド日本語ラップをバックアップするにあたって、何かしらの仮想敵(と言うか、対立構造)が必要だったということか。例えば、LAMP EYE"証言"でYOU THE ROCKがディスっているのが象徴的だけど、そのアンダーグラウンド日本語ラップを迎え撃つ好敵手として祭り上げられたのがスチャダラパーだったんだなと思う。で、(FRONT誌的に)晴れてその任を解かれたのが、98年の「FUN-KEY」だった、みたいな。ここぞとばかりに、「スチャダラパーは変わった」的な論調が埋め尽くされる本誌だけど、その予兆は(BUBBLEGUM BROTHERSをディスした"B-BOYブンガク"で実質的に幕を開ける)前作「5TH WHEEL 2 THE COACH」であって(実際、座談会内で古川 耕も指摘しているけど)、明らかに「FUN-KEY」一枚で起こった進化ではないということは、改めて言っておきたい。それをイントロ代わりにして雪崩れ込む、本編のスチャダラパーへのインタビューの内容がまた濃ゆい!
特集は、「R&Bお宝リミックス」ってことで、90年代の(主にプロモのみの)レアなREMIXを66枚選盤。5段階の星で評価されてて、一時はそれなりのお値段で取引されていたSHADES"TELL ME"(CLARK KENT VERSION)辺りが満点だったりします。当時、この辺のR&B絡みの特集はあんまり熱心に読んでなかったな...とか思い出しながら少し反省。

06.24 Wed

今、FRONT誌を読み返す。【1】

倉庫を久しぶりにひっくり返していたら、懐かしのFRONT誌をまとめて発見。そう言えば、FRONT誌を振り返ったことはあまり無かったと思ってパラパラめくってたら、いつの間にか読み込んでしまってて。
なぜ今、FRONT誌なのか?90年代中期。当然インターネットがまだまだ普及していなかった時期で、日本においてはヒップホップ(日本語ラップを含む)に特化した情報がまとまって手に入るチャンスは皆無だったことを考えると、FRONT誌が遺した功績たるや今更ながら計り知れないわけで。あの時、FRONT誌がなかったら、ここまでBボーイズが共通の歴史認識を持つことはまず有り得なかっただろうし、後にBLAST誌として日本語ラップ・シーンを牽引した事実も踏まえなら、今日の日本語ラップの隆盛さえ無かったに違いない。

ともかく。歴史に「たら・れば」は無用だけど、確かに「あの時、イノベーションが起こった」のは揺るぎない事実。FRONT誌~BLAST誌へと続いた流れは、言うまでもなくAMEBREAK/RAP STREAMとして今も続いているけれど、「コトの起こり」はもっとスリリングで熱量に満ちたものだったことを、どうしても後世に語り継ぎたくなった、そんな気持ち。FRONT誌を、ラストの98年12月号(表紙はPETE ROCK)から、時代を遡る形でご紹介します。
CDに対するレコードがそうであるように、ミックスCDに対するミックステープがそうであるように、デジタルの圧倒的な利便性さえもアナログが(アナログゆえの)熱量と勢いで凌駕してしまうことは、ままある。インターネットで色々な情報が手に入る今もなお、すでに15年以上も前に出回ったFRONT誌が教えてくれることは多いと、店主は確信しています。


DECEMBER 1998

98年のPETE ROCKと言えば、正しく初のソロ作「SOUL SURVIVOR」の頃。レビューコーナーには、JAY-Z「VOL.2...HARD KNOCK LIFE」も載っているけど、「SOUL SURVIVOR」の扱いの方が大きいというのが、当時の空気感。ROC-A-FELLAよりも日本では(ギリギリまだ)LOUD、そんな時期だったかな。ちなみに、GANG STARRと一緒にFREDDIE FOXXXのインタビューも載っていて、後に小ビーフを巻き起こすERIC B & RAKIMの例の相方話は、すでにここで少しだけしています。
特集はBAD BOYで、FAITH EVANS、TOTALに加えて、HITMENだって。「BACK DOWN MEMORY LANE」と銘打って、R&Bバラードの特集なんてものも。DJ編ということで、

DJ HAZIME(ISLEY BROTHERS"(AT YOUR BEST)YOU ARE LOVE")
DJ HASEBE(JOE"ALL THE THINGS")
DJ KEN-BO(PEABO BRYSON & ROBERTA FLACK"TONIGHT, I CELEBRATE MY LOVE")
DJ WATARAI(JANET JACKSON"WHERE ARE YOU NOW")
DJ CELORY(ROGER"I WANT TO BE YOUR MAN")
DJ JIN(ISLEY BROTHERS"DON'T LET ME BE LONLEY TONIGHT")
DJ KIYO(PAULA ABDUL"RUSH RUSH")
DJ MAKI THE MAGIC(TONY TONI TONE"IT NEVER RAINS")

等、今も現役の錚々たる顔ぶれが選盤していますが、そんな中で明らかに垢抜ける前の

DJ KAORI(KEITH WASHINGTON"KISSING YOU")
DJ FUMIYA(R. KELLY"BUMP N' GRIND")

辺りも名を連ねているところに、何気に時代を感じるような。しかし、改めて書き出してみると、内容濃ゆいな...!