FC2ブログ
Top Page > ○○○○という男

DEALER's SHOP BLOG

2018 09123456789101112131415161718192021222324252627282930312018 11
06.24 Wed

田我流という男【1】

「今、気になってるのは田我流」というのは、ANARCHYのフリーダウンロード作「DGKA(DIRTY GHETTO KING ANARCHY)」に収録された"LOYALTY"からの一節。同作の発表が2013年の11月だから、ひょっとしたらすでに両者のジョイントも秘密裏で実現しているのかもしれないけど、ともかく。ソロとしての2NDアルバム「B級映画のように2」以降、一層MCとしての格が上がったのは間違いない。レペゼン138、田我流のことだ。
そもそも、1 MC(もしくは1グループ)のキャリアを総括して、その時点でのベスト・パフォーマンス(楽曲)を紹介するような内容を書きたい、と思い付いたのはかなり以前からだけど、その時から一番初めは田我流(かECD)しかいないと考えていた。というのも、やはり「B級映画のように2」がコンセプト作として極めて秀逸だったから。
で、(なぜか!)今、である。ちなみに、言うまでもなくタイトルは某バラエティー番組からのサンプリング。
fa6f8d58c878e661d37e8ddcf1c715ab1.jpg


順位を付けることが目的ではもちろんないので、「BEST○」形式ではなく、概ね時系列に沿った形でソロ作を15曲ほど挙げておく(EVISBEATS"ゆれる"は客演仕事ながら、実質的なソロ曲なので特例)。
IMG_3989.jpg
田我流 / 138 FROM STILLICHIMIYA「PLACE 2 PLACE」
後のソロ作「JUST」にも、テイク違いが収録されたキャリア最初期の傑作。138とはもちろん一宮町のことで、ここから始まる壮大な勝ち上がりストーリーの幕開けを告げるような、リリックが熱過ぎる。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
夢みがちなろくでなし 今の俺の選択肢
ペンを取り思い吐く 赤く燃える空の如く
いつかを夢みては 足元見えず つまづくわ
終わったか?いや、まだ始まってもない I WANNA FLY

138

始まりはここ、この街 138
いつかを夢みては 足元見えず つまづくわ
終わったか?いや、まだ始まってもない I WANNA FLY
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
特に、「JUST」収録のテイクではカットされた終盤のシャウトも熱い。この瞬間、田我流はローカルタウンのニューリーダーとして名乗りを上げた、と言っても過言ではない。本作を受けての"STRAIGHT OUTTA 138"、なのである。
ちなみに、プロデュースは(クレジット無しながら「JUST」版を確認するには)おみゆきCHANNEL。彼等にとっても代表曲と言えるはず。


IMG_3989.jpg
田我流 / 三文RAPPER FROM STILLICHIMIYA「PLACE 2 PLACE」
初期のミックス音源「PLACE 2 PLACE」(通称「P2P」)からのソロ曲。当時、20代半ばでまだ何者でもなかった田我流の、普段の生活を切り取ったような(冒頭の寸劇も含めて)等身大のリリックこそが、地方Bボーイの現実でもある。ちなみに、おみゆきCHANNELの初プロデュース曲でもある。


IMG_3992.jpg
田我流 / JUST FROM 田我流 1STアルバム「JUST」
ソロ・デビュー作「JUST」のトリを飾るクラシック。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
I JUST 覚めない夢をみて I JUST 流れる音に乗って
I JUST 楽しみたいだけ 感じるままに歌いたいだけ
I JUST 季節を感じて I JUST これまでもこれからも
I JUST 時の流れにのって 言葉で日々を満たして明日へ
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
と歌うフックに、LARGE PROFESSOR"IJUSWANNACHILL"を重ねてしまうのは店主だけか?
「JUST」の帯裏にあるコメント、
「街に溢れる音に共感できなかった。だから今思う事、周りの環境、自分の心境をひたすらストレートに唄ってみようと思った。」
がアルバムのコンセプトだとして、やはりタイトル曲として相応しい内容だと思う。NO.1おみゆきBANDなる、BIG BENやYOUNG-G等による生演奏もタイト!いつ聴いてもグッとくる。


IMG_3992.jpg
田我流 / 坂 FROM 田我流 1STアルバム「JUST」
山梨シーンの現実という逆境を坂に例え、昇りきって「この先にある何か」が見たいと歌うリリックが秀逸。ひたすら前を見つめるポジティブな姿勢に背筋が伸びる思い。PAT METHENY GROUP"APRIL JOY"を使い切ったYOUNG-Gのビートも素敵。


IMG_3999.jpg
田我流 / 墓場のDIGGER FROM 田我流 1STアルバム「JUST」
後年、ECDによるREMIXを含んだ45も出回った初期の傑作。おみゆきCHANNELのBIG BENと共に、リサイクルショップでのディグ・マナーを歌う、地方版SHOWBIZ & A.G."DIGGIN' IN THE CRATES"みたいな趣。DJ ISSOの日本語ラップ・ミックス「YUKICHI DE PYRAMID」や、MARY JOYのV.A.「THE TBS PROJECT」にも提供された人気曲。後に出回る田我流のミックス作品「墓場掘士」も、本作が無ければ存在しなかったはず。



IMG_3992.jpg
田我流 / ICE CITY FROM 田我流 1STアルバム「JUST」
「JUST」では、"ラーメン"(FLAMMABLE作)と共に数少ない外部仕事の一つで、ZIPSIES作。山梨シーンの現状を嘆きつつ、全地方シーンが抱える問題を吐露するような辛辣なレポート。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
ぶっちゃけ、何かけても一緒 先輩のDJがぼやいてる
そのくせNAME VALUE?踊らされ 地方営業のいい食い物にされる
いまだに勝ち上がった奴いないICE CITY ここを俺はそう呼ぶ
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
なんて、地方シーンへの苛立ちを告白しながらも、同じ境遇の地方Bボーイに目を覚ませと促すフックが熱い。


IMG_3991.jpg
田我流 / 笑ってる? FROM 田我流ミックス「矢作の小鉄」
当初は「JUST」のSTILLICHIMIYA HPでの購入特典として配布された田我流ミックス「矢作の小鉄」(後に、若干前のみ同HPにてジャケ違いの販売も有り)からの一曲。PETE ROCK"PETE'S JAZZ"やJ-LIVE"IT DON'T STOP"でも使用されたことで知られるGARY BURTON"OPEN YOUR EYES YOU CAN FLY"の上からラップを乗せたGHOSTFACE KILLAH的センスも含めて最高!


IMG_3991.jpg
田我流 / ONE DAY FROM 田我流ミックス「矢作の小鉄」
タイトル通り、日常の日々を切り取った一曲。近所のハードオフで、GHOSTFACE KILLAHのCDを500円でゲットできたと言うKTYとの、初夏のある日の記録。同じく「矢作の小鉄」に収録された、明日へのポジティブなメッセージを託した"NEW DAY"と対になるような、昨日を振り返る日記的なリリックで、"笑ってる?"へと繋がる本編での展開も絶妙。


IMG_3995.jpg
田我流 / ちぇけらー FROM V.A.「OLD TO THE NEW VOL.1」
本場ヒップホップ・クラシックのリメイク企画、V.A.「OLD TO THE NEW」シリーズの第1弾から。BEATNUTS"PROPS OVER HERE"のリメイクで、世間の誤ったヒップホップへの(田我流曰く「古過ぎるし、いけてねー」)認識を正す一曲。プロデュース(アレンジ)はDJ MASAOことOLDFASHIONによるもので、ビートはもちろん、"PROPS OVER HERE"と同じくDONALD BYRD & BOOKER LITTLE"WEE TINE"を使用。


IMG_3990.jpg
田我流 / 我道 FROM DJ DICKミックス「エレクション」
「PLACE 2 PLACE」の続編的ミックス「エレクション」からの一曲。BIG BEN作のビートに乗って、我が道を往く独自のスタイルを高らかに(田我流曰く「時代錯誤も覚悟」して)キック。「我が筆に一片の曇り無し 一筆書きで射止める閃きを」なんて渋い、を通り過ぎて神々しいラインも。"我道"を歩み続けたからこそ、唯一無二の傑作「B級映画のように2」が完成したのだろう。


IMG_3994.jpg
EVISBEATS / ゆれる(FEATURING 田我流) FROM EVISBEATS 2NDアルバム「ひとつになるとき」
EVISBEATSの2NDアルバム「ひとつになるとき」からのクラシックにして、これこそ日本でしか生まれ得なかったであろう日本語ラップの到達点。自身の音楽遍歴を投影したような、田我流の等身大のリリックじゃなければ、やっぱりこうはならなかったと思う。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
いつに生まれても俺は俺だと
時代に合わせて呼吸するつもりはなく
人であることを選び、求めるラブ
DOORSのようにLIGHT MY FIRE
あのジャズマンみたいにネバー・リタイア
音の中に生きると決めたこの人生
まだまだ未熟で俺は小せえ
でも、どうせやるならばこのまま挑戦
誰かがゆれる為の曲を書こうぜ
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
MMMとMR.麿によるスタジオ石が制作したMVも含めて最高過ぎる!



IMG_3996.jpg
田我流 / STRAIGHT OUTTA 138 FROM 田我流 2NDアルバム「B級映画のように2」
これまでにも、地方シーンの現状や世の中の在り方のようなものに対して、度々怒りを垣間見せてきた田我流だけど、一曲まるまる「怒」の感情で書きなぐったのは本作が初めて。INCREDIBLE BONGO BAND"APACHE"を使用した緊迫感が張り詰めたビートに乗って、政治家やメディア、政府、社会、総じてバビロンに向け、高らかにファック・サインを掲げる痛快な一曲。テーマがテーマだけに、"言うこと聞くよな奴らじゃないぞ"の一節を引用したECDの参戦も大いに納得。本作があればこその"選挙に行こう"なんだよな。


IMG_3997.jpg
田我流 / SAUDADE FROM 田我流 2NDアルバム「B級映画のように2」
「B級映画のように2」において、"STRAIGHT OUTTA 138"でヒリついた空気を優しく解くかのように、次に流れてくるのが本作。MILTON NASCIMENTO"TUDO O QUE VOCE PODIA SER"を使用した美し過ぎるビートに乗って、「インディ・ジョーンズみたいなラップ・アドベンチャー」を楽しみたい、なんてピュアなリリックがなんとも眩しい一曲。自身が主演した映画「サウダーヂ」との絶妙なリンク具合も小憎い。


IMG_3993.jpg
田我流 / パニックゲーム FROM 田我流 2NDアルバム「B級映画のように2」
明らかにRAKIM"IT'S BEEN A LONG TIME"を意識した冒頭からして粋!巷に溢れる「コピーにつぐコピーのレプリカント」たちをバッサバッサと斬り捨てる、「ダークナイト」のジョーカーばりのトリックスター振りで、「B級映画のように2」の(実質的)冒頭曲にして「何かが起こりそうな予感」をビンビンに感じさせてくれる一曲。


pic_nophoto.jpg
田我流 / 選挙に行こう フリーダウンロード
田我流にとって、初のフリーダウンロード曲と言っていいのが本作(のはず)。2012年の年末の時点で、後に行われた参議院選挙に行こうと促す内容は、まあタイトルそのままと言ってしまえばそれまでながら、ここまで単刀直入でいて政治的なメッセージは、思えばK-DUB SHINEですらやっていなかったような。フリーダウンロードならではと言える、GANG STARR"MANIFEST"(CHARLIE PARKER & MILES DAVIS"A NIGHT IN TUNISIA"使用)のビート・ジャックも単純明快。「B級映画のように2」で、明らかに一皮剥けたからこそ演れた一曲だと思う。余談ながら、いまだに選挙前にはTWITTERで度々呟かれてるような。

スポンサーサイト